伐折羅は薬師如来および薬師経を信仰する者を守護するとされる十二体の武神である十二神将うちのひとり。
十二神将は、薬師如来の十二の大願に応じて、それぞれが昼夜の十二の時、十二の月、または十二の方角を守るという。そのため十二支が配当される。また、十二神将にはそれぞれ本地(化身前の本来の姿)の如来・菩薩・明王がある。
各神将がそれぞれ7千、総計8万4千の眷属夜叉を率い、それは人間の持つ煩悩の数に対応しているという。
伐折羅は勢至菩薩を本願仏とし、十二支は戌神。
○国宝
興福寺東金堂十二神将像
興福寺板彫十二神将像
新薬師寺像 (奈良県奈良市) - 塑造、奈良時代、12躯のうち11躯が国宝。国宝指定外の1体は 昭和時代の補作(細谷而楽作)。
興福寺東金堂像 (奈良県奈良市) - 木造、鎌倉時代
興福寺像 (奈良県奈良市) - 板彫、平安時代
広隆寺像 (京都府京都市) - 木造、平安時代、長勢作
○重要文化財(国指定)
※材質表記のないものは木造。
慈恩寺 (寒河江市)像 (山形県寒河江市) - 鎌倉時代8躯、附江戸時代4躯
覚園寺像(神奈川県鎌倉市) - 室町時代、朝祐作
日向薬師宝城坊像(神奈川県伊勢原市) - 鎌倉時代
大善寺像(山梨県甲州市) - 鎌倉時代
願興寺像(岐阜県御嵩町) - 平安時代
鶏足寺像 (滋賀県長浜市) - 木心乾漆造、3躯のみ現存、奈良時代末期 - 平安時代初期
龍王寺(雪野寺)像(滋賀県蒲生郡竜王町) - 鎌倉時代
東寺像 (京都府京都市) - (金堂本尊台座付属)、桃山時代
法界寺像 (京都府京都市) - 鎌倉時代
東山寺像 (兵庫県淡路市)像 - 平安時代
斑鳩寺像 (兵庫県揖保郡太子町) - 鎌倉時代
法隆寺西円堂像 (奈良県生駒郡斑鳩町) - 鎌倉・桃山時代
霊山寺像 (奈良県奈良市) - 鎌倉時代
栄山寺像(奈良県五條市) - 室町時代
室生寺像 (奈良県宇陀市) - 鎌倉時代
東大寺像 (奈良県奈良市) - 平安時代
浄妙寺像 (和歌山県有田市) - 鎌倉時代
雪蹊寺像 (高知県高知市) - 鎌倉時代、10躯のみ現存、薬師三尊像の附(つけたり)指定
旧東光院像(福岡市美術館蔵) - 南北朝時代
旧東光院像(福岡市美術館蔵) - 平安時代、9躯のみ現存
旧浄瑠璃寺像(静嘉堂文庫・東京国立博物館蔵)鎌倉時代、京都・浄瑠璃寺旧蔵と伝える一具で、静嘉堂文庫美術館に7躯、東京国立博物館に5躯(2008年度購入の1躯を含む)が所蔵される。
¥20,520
約190(H)×92(W)×75(D)mm 365g
モデルは国宝「伐折羅像」。光明皇后が夫、聖武天皇の病気平癒の為に建てた寺に遺される天平時代の塑像(そぞう)の傑作で、日本最古の十二神将像としてあまりに名高い。動きを抑えた控えめなポーズと、怒りもあらわに見開いた目、逆立つ髪の迫力が絶妙なバランスに表現され、天平時代の見事な造形が見る者を魅了する。